1-3.木工:八卦剣~木製の中国武術練習用の剣

なにせ「実用木工シリーズ」ですから、剣といっても武術の練習のためであって工芸品のようなものを目指して作ったわけではありません。もちろん誰かを攻撃するためでもありません。あくまで健身のための武術練習にと作ったわけですが、共謀罪法案が施行されてしまうと、健身目的でこうした器械を持ち寄って練習なんかしていたら、それだけで目をつけられるのではないかと危惧します。
自由な言論、健康運動のためにも、武術練習者も共謀罪には反対しましょう。

さて、八卦剣です。八卦剣も覚えたいと思いまずは道具作り。
刀と同じように、長くて重い剣を作りました。

・長さ :今回製作したした八卦剣は全長117cm。
・重さ :877gram。
・剣身の幅は3cm、長さは89cm。剣格から剣尾までの長さは28cm。

材料は八卦刀と同様、イペ材を使用しました。刀を作った時の残りの材を使いましたが、これが長さ90cmしかなかったため、剣突から剣尾までを一枚板でとることができず、やむなく剣身と剣柄の部分を、剣格で接合する作りで設計。
接合の都合上、中国剣によくある蝙蝠の彫刻などが施されたカップ状の剣格にはせず、がっちりとした形の剣格にしています。この剣格の形、越王剣とか、三国志で曹操が持つ青釭剣のような、わりと古い時代の中国剣の雰囲気です。そして剣尾には鉄のオモリを取り付けてバランスをとっています。


<<作り方>>

(1)設計と原料の木材の選定
繰り返しますが、木工では初めに完成イメージ図を描くことと設計が大切です。
木工もだいぶやってるうえ、八卦刀を作っているので要領と勘所は問題ないです。
一応エクセルでざっと設計書をつくり、重さとバランスを計算しておきます。
オモリは、昨年の東京蚤の市で手に入れた古い鉄のもの。4cmほどの長さで約300g。
いつかまた刀を作るときにいいかなと思って買っておいたもの。刀尾のような円錐形をしています。

(2)部材の切り出し
長さ90cm、幅10cmの板から、まずまっすぐ3.5cm幅で剣身を切り出します。先端を、剣突の格好にざっと切ります。
剣格から剣尾までの形の型紙を作っておき、残った部分から型紙どおりに3枚切り出します。
まず大枠は手ノコを使い、剣格の細かいところはジグソーを使いました。

(3)剣格と剣尾の加工、貼合わせ、削り
剣格から剣尾までの部分は、3枚を貼合わせますが、真ん中になる板に剣身をはめ込むので、この部分を切り欠きます。
3枚重ねの真ん中の板は、剣尾につける鉄オモリをはめ込めるように切り欠いておきます。
剣身、剣格~剣尾を組み合わせ、ボンドで貼り合わせて圧着。一晩放置します。接着ができたら、全体を成形するために削り、サンダーがけをします。







(4)ダボ打ちと、おもりの取り付け
はめ込んだ剣身が万が一抜けないよう、ドリルで6mmの穴をあけてダボを打っておきます。剣柄の部分にもダボを打ちます。これが加締めになるわけです。
剣尾の切り欠きにオモリの輪の部分をはめ込んで、隙間に粘土を詰め、オモリの輪を通るようにダボを打ちます。これで外れなくなりますが、このオモリの上から粘土をつけて円柱形に整形します。剣穂をつけるための輪を木材で作り、オモリともども粘土で取り巻くようにして固定します。
風通しの良いところで粘土を乾燥させます。

(5)剣尾を加工して、塗装して完成
剣尾の粘土を円柱形に削り取ります。粘土は乾くと石膏のようになるものを使っています。これは乾いてから削ったり、やすりがけもできます。
刀は刀尾だけ塗装しましたが、今回は剣格と剣尾の部分を塗装しました。剣柄にはそのうちなにか巻こうと思いますが、剣穂をつけて、これでいったん完成。練習できます。