3-3.マレーシア|旅の出来事 :警察に連れて行かれる・・・

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幸い、これまで外国の旅先で難儀な目に遭うことはほとんどなかったのですがそれでも、旅に出ると面倒はたびたび起こります。少々の腹痛や下痢程度ならともかく、もう少し面倒な目に遭ったこともありますが、それも今となってはまあ笑い話で済む程度です。
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そのひとつ、マレーシア、クアラルンプール国際空港(KLIA)での出来事。

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もう十数年前の話ですが、クアラルンプール国際空港KLIAに着いてすぐ、警察に連れていかれました。

シンガポールのときと同様、仕事の合間の夏休みは短くて慌ただしくて疲れていて眠たくて、そんなときに好きでもない旅行などするべきではないのでしょうがなぜかこの時も、ずっと気になっていたマレーシアに行ってみようと思い、初めて入国しました。
マレーシア航空でKLIAに着いてまず通るのは入国審査です(当たり前ですが)。早朝成田を出て、夕刻KLIAに到着しましたがもちろん前夜もほぼ徹夜です。でも機内ではあまり眠れるたちではないので、着いた時にはもうぼんやりしていて眼に眠気がまといついていて、眉間に皺がより、イミグレーションを通る時にはいい顔ではなかったと思います。今思えば、これがまずかったのだろうと思います。

イミグレーションでのパスポートチェックは何を訊かれることもなくすんなり通過。しかしそのあとに待ち構えていたのが私服警官でした。すぐに二人くらいが私に近寄ってきて「パスポートを見せろ」と言います。いま入国したばかりでなんでだ、と思い訝っていると彼らは胸につけている身分証明を見せてきて警官だと言います。が、彼らが警官には見えませんでした。だから、無視して通り過ぎようとしました。そうしたら腕をつかんできます。ん、と思いましたが変な奴だったら困ると思い、振りほどきます。でもまた私の進路をふさぎ、どこから来たと問うので「東京からきた」と言うとさらに「ちょっとこっちへ」ということになったので「なんでだ?」と訊くと「まあ大丈夫だから」というようなことを言います。それにも抵抗して行こうとすると今度は二人に両腕を取られてしまいました。周りには同じ機に乗ってきたと思われる日本人客もたくさんいて、両腕を取られて連れて行かれるさまが恥ずかしくてしかたありませんでした。

連れていかれたところにはドアの上に「POLIS」と書いてあり、ほんとに警察官なんだ、と思いました。空港警察です。
中では数人の警察官が和やかに雑談などしています。目の前にマレー人の恰幅のいいヒゲの警官が座り、私が日本人とわかると彼は突然、「OGENKIDESUKA」と馬鹿でかい声で言いました。何を言っているのかわからず思わずWhat? と聴き返しました。よく見ると警官は手に日本語の本を持っていてあるページを指さします。そこには「OGENKIDESUKA?」と書かれていました。それでやっと日本語を話しているのだとわかり、「ここに来るまではね」と英語で言っておきました。
さて、ここではほとんど雑談でした。いろいろ話をするに、ランダムに人を選んで麻薬のチェックをしているのだそうです(なんで私?)。ちなみにマレーシアやシンガポールは麻薬の持ち込みは重罪、場合によっては死刑にもなるのは有名です。もちろん私もそれは事前に知っていて、気を付けなければと思ってはいましたがまだ入国直後です。変な人とも接触していないし、荷物はまだターンテーブルにある。だからこんなところで麻薬チェックしても何の意味もなかろうに、と思いました。
話をしながら、掃除機のような音がする小型の機械で一応全身をチェックされ、機内に持ち込んでいた手荷物をすべて空けて調べられました。サングラス、メモ帳、ティッシュやハンドタオル、航空券とバファリンくらいしか入っていません。ヒゲの警官はサングラスを取りだして勝手に掛けて私にその顔を見せてニヤッとしたりするので「勝手に触るなこの野郎」というようなことを言い取り返します。そんなことをしている間に機械が何かに反応したらしく、「なにか薬(drugではなくmedicineと言った)を持ってるか」と訊かれたので「バファリンがある」と私。終わるとパスポートはすぐに返してくれ、五、六人の警官は終始にこやかで(若い女の子もいた)、仕事はなんだとかマレーシアは初めてかとか雑談をしながら、例のヒゲの警官は時折、「SINPAINAI」と馬鹿でかい声で言うのです(わかったよ、もう)。なんだこいつら、と思いつつもにこやかに応じておきました。
15分程度で調べは終わり、出るときはじつに丁重に「ここを出たら右手に。荷物はそこでピックアップして・・・」などと説明してくれる。そんなのわかってるこのやろー、と思いつつ、やはりにこやかに応じておき、無事入国となったわけです。

その後マレーシアには何度か行っていますが、それからは必ず入国時には「にこやかに」するようにしています。
現在もこのチェックをやっているのかどうかわかりませんし、たまたま私が当たっていないだけなのかもしれません。マレーシアに行く方は一応、こういうことがあるかも、というのを念頭に置いたらいいのかもしれません。
ちなみにこのあと荷物をピックアップし、クアラルンプール市内に向かうバス乗り場でバスを待っている間に数人の日本人学生と会ったので皆に訊いてみましたが、そんなチェックをされた人はいませんでした。

ただ、マレーシアでは、絶対に麻薬には関わらないように注意しましょう。